片付かない部室にて壁シンブン部の放談ミーティング

  • マ:(マミコ)
  • ミ:(ミズシマ)
  • タ:(タップ)

第2回 壁部コンテンツ紹介と今後の展望

下山事件から岡村響子(誰?)まで。壁部の無節操な読書癖

「貸した本ちゃんと読んだ?」/「tangledtaleな旧暦生活」

マ:
次!「貸した本ちゃんと読んだ?」。これもミズシマさんによるタイトルとバナー映像がかなりイイです。基本的には押しつけがましく他人に本を読ませるという企画ですね。
ミ:
タイトル文字は、私が夜中に書道で書いたモノです! ミータが起きたらぜったいやりたがるから、こっそり独りで何回も書いた(笑)。
マ:
今回はタップさんが本を選んだわけですが、なんで記念すべき第一回にこの本を?
タ:
この原稿、いつ書いたっけ......。ああ、元旦だよ、素晴らしい年明け、良かったでしょ! みんな!
ミ:
私はつきあえないね。ベートーヴェンとは(キッパリ)。
タ:
フン! 二人ともベートーヴェンに男としての興味がなさそうで助かったわよ!
ミ:
でも仲良くはなれそうだ。
タ:
とらないでよ! 私のベトを。
マ:
いやいや、あなたには青木やよひさんという最大のライバルが......。
タ:
ああ〜〜〜〜、それは太刀打ちできない!
ミ:
去年の年末から壁部内で流行したんだよね。
マ:
うん。私だけ少し読むのが遅れたので、二人の話題についていけず寂しかったよ。でも私も「のだめ」の影響で、クラシックが面白くなってきてるので、すごく面白かった。ベートーヴェンについてもっと知りたいなあと思ってる。
タ:
ミズシマさんは、あの頃のセックスとか避妊とかはどうなっとったんじゃいという話をしてたよね。
ミ:
うん。ベートーヴェンと恋人の運命を決めた衝撃の事実(と青木さんが予想していること)には、妊娠とか出産が絡んでるんだけど、当時は避妊とかしてなかったのかな〜とか、どういうシチュエーションでやってたのかな〜とか、すごく気になった(笑)。それと、私はこの本で歴史ミステリードキュメントものにハマったよ。その後読んだのが、『下山事件--最後の証言』(柴田 哲孝)→『正義の罠 リクルート事件と自民党 二十年目の真実』(田原総一郎)→『ピカレスク』(猪瀬直樹)という、なんか団塊のおっさんみたいな読書歴
マ:
下山事件[*1]について熱く語りたい〜。『日本の黒い霧』は読んだ? 松本清張の。事件が起こった時代と近いから、リアリティあってドキドキするよ。ああ、壁部でライカビル[*2]ツアーに行きたかった〜。 
ミ:
松本清張は読んでないや。それにもう私の中の流行が別のジャンルに移っちゃった(笑)。>ADHD......。去年の後半から、人類進化、医療進化系の良書がたくさん出てる。今読んでるのは『眠れない一族〜食人の痕跡と殺人タンパクの謎
タ:
殺人タンパク! おもしろそう! 次の課題図書推薦係はどっちですか?
マ:
私は、前にツヴァイクの『マリー・アントワネット』で書いたのがあるんだけど、ちょっとベートーヴェンとかぶるから、別なのにするよ。まあ課題図書は次々アップしていきましょうよ。熱が冷めないうちに。
ミ:
他にも、『迷惑な進化〜病気の遺伝子はどこから来たのか』『感染地図〜歴史を変えた未知の病原体』とか。あと早く読みたいのが『ヒトは食べられて進化した』。これって女子研究者が自分で提唱している説を書いてるんだけど、人間は、狩りをして他の生物を支配してきたみたいに書かれてるけど、実は初期人類は狩るより狩られるほうが多かったじゃん! という話で、男子中心主義の、なんか偉そうな人間像とはまったく違うイメージが作られると思うんだよね。
タ:
理系の本もやりたいよね。
ミ:
ごめん......すでに語ってしまった(笑)。
マ:
その熱さが小学女子クオリティですよ! 面白そう〜。みんな本好きだから今後が楽しみだね。マンガ系もいっぱいあるんだよね。
タ:
二人から送られたマンガがうちに段ボール二つ分あります。(このコーナーのタイトル写真はその一部)
マ:
ミズシマさんに河上娘[*3]について学んでもらわないと。
ミ:
あ、まだ知らないままだ。河上娘!
マ:
河上娘は、自分を誘拐した東漢駒とよろしくやっちゃうんですよ!
タ:
やまとのあやのこま、だっけ。しかし山岸凉子に関して、私が負けてしまう人がいるとは!
マ:
タップさんと山岸凉子話をすると止まりませんな。「岡村響子[*4]」と言っただけで「キェー!!!」とあ・うんの呼吸で言える人は貴重です。
ミ:
『電脳コイル』も貸したいです。全26話。
マ:
それも楽しみだ〜。「家庭技術と保健技術」にも通じる話だしね。
ミ:
じゃあ次は「tangledtaleな旧暦生活
マ:
はーい。これは、リードにも書いたけど、私、ちょっとオシャレ系の旧暦の本を2冊も書いてしまって[*5]、それはもちろん私の好きな世界でウソではないんだけど、私がもともとこの辺に興味をもったのは、和の暮らしを美しく、というよりは、民俗学的な言い伝えや風習、祭りや神社についてだったので、そういうヲタっぽいこだわりをここでは書いていきたいと思ってます。
ミ:
ひなまつり周辺があと2回続くんだっけ?
マ:
うん。旧暦3月3日(新暦4月7日)までに更新します。次は「3月3日と水辺の祭り」について。その次は「聖なる植物としての桃」について!
タ:
なんかひな祭りなんて私のイメージでは漂白されちゃってるっていうかそんな感じがしてたんだけど。もともとすごいもんなんだな、ってことがわかって、ひな祭りやりたくなった。
マ:
漂白?
タ:
現代の、新暦でやるお祭りってほら......
ミ:
すっきりさっぱりキレイになってるってことだよね>漂白
タ:
うん。そうだね。デパートの催事場でフェアが行われて、とかね。
ミ:
マミコ原稿はそこに土足であがり込む、という感じだ。
マ:
旧暦のこと調べてて面白いなと思うのは、まさにそこなんだよね。形をただマネして「伝統」として伝えるんじゃなくて、その行為に込められた意味を共有して伝えていくってことが大事じゃないかと思う。社会は進化しても人間の生活の基本的な部分、(食べたり寝たり生まれたり死んだり)は変わってなかったりするし、案外今も昔も西洋も東洋も、そういった部分を追求してくと似通っていくのが面白いなあと思って。
タ:
そうだよね。形式も面白いけど、意味が面白いよね。今回もすごくおもしろかった。胎児とヘビとか。胎児といえば、個体発生は系統発生を繰り返す、だっけ。ミズシマさん?
ミ:
>妊婦の腹にあるまだ形となっていない胎児 っていうとこだね。確かに「個体発生は系統発生を繰り返す」なんだけど、甲骨文字ができた当時って、妊娠初期の胎児を見る機会ってなかったんじゃないかなあ?
タ:
そうだよね。でも似てるって昔の中国人も思ったんだよね。
ミ:
家庭技術になるけど、胎児観って、技術の発展(変化)とともにすごい変化してて、顕微鏡の発見とか西洋医療の手術の流行とかそういうので「生命の始まり」の具体的イメージがコロコロ変わってるんだよね。
マ:
昔の人は胎児を見たことがなかったかもしれないけど、例えば、ラスコーの洞窟壁画だかなんかで、本来は写真とか静止画像にしないと見ることのできない走ってる馬の独特な関節の折れ曲がりかなんかがちゃんと絵に描けているとかで、昔の人は、今のように便利な道具がない分、そういった感覚能力が今の人間より冴えてたんじゃないかなと思う。民俗学系の本とか読んでると、すごいそういう本質的なところを昔の人が既に知ってたんじゃないかと思えることが多い。
タ:
なるほどね〜。
ミ:
脳の機能障害で発達が遅れていると言われた子どもが、ラスコーの壁画とそっくりな絵を描くというのが発表されて、それで私の好きなニコラス・ハンフリーって人が......、あでも長くなるのでまた!(笑)。でもなんとなくだけど「巳」って、陰陽とかと関係あるような、もっと抽象的なものかと思ってたよ。
マ:
甲骨文字の「子」とは必ずしも胎児ではなく、妊婦の腹の中にあって、いつか生まれるであろうもの、「未完成な人間」という意味合いぽかったけどね。まあ、てなわけで「こどもフェロモン」にいこう!
  • *1
    下山事件
    昭和24年(1949年)日本国有鉄道初代総監の下山定則が北千住ー綾瀬間の線路で轢死体となって発見された事件。当時中国では内戦で中国共産党が勝利し、日本を占拠していた連合国占領軍は、対日対策における赤狩り要素を強化していた。国鉄労働組合と対立させられていた下山の死を共産党系労働組合がらみの仕業とイメージさせることで誰が得をしたのか? ......とまあそういう感じで戦後史とその後の日本の社会に影響する重大な謎がこの事件に秘められているというもの。ハマるんだよこれが。、最近出版された柴田哲孝著『下山事件 最後の証言(完全版)』など関連書籍も多い。
  • *2
    ライカビル
    朝日新聞記者・諸永裕司氏が著書『葬られた夏ー追跡・下山事件』でスクープした、下山事件の重要な舞台になったと考えられるビル。この本が書かれたときはまだあったのだが、2004年夏に解体された......←もしかしてこれも陰謀??
  • *3
    河上娘(かわかみのいらつこ)
    山岸凉子の名作『日出処の天子』にでてくる脇役キャラ。蘇我毛人(えみし)の異母妹で、崇峻天皇と結婚。それを鼻にかけたイヤ〜なキャラである。以前タップーマミコでその話について盛り上がっていたがミズシマは未読。早く読ませたい。(マ)
    『日出処の天子』は何度も読んでる! けど河上娘ぜんぜん印象なし! 顔の書き込みがすごいうすい子だっけ?(ミ)
    そういえばうすいかなあ、眉がさがってて、髪がトーンで、目が吊り上がってる人だよ(タ)
  • *4
    岡村響子
    同じく、山岸凉子の名作『天人唐草』の主人公。厳格な父のもとで家父長制の価値観を押しつけられて生きてきたが、さまざまな軋轢と矛盾に自分が壊れて最後は発狂。金髪パーマをあててフリフリの服と日傘をもって、「キェーーッ」と絶叫するラストシーンは、多くの小学女子を戦慄させた(はず)。
  • *5
    オシャレ系の旧暦の本を2冊も
    おりおりに和暦のあるくらし」と「しあわせを呼ぶ和ごよみ