片付かない部室にて壁シンブン部の放談ミーティング

  • マ:(マミコ)
  • ミ:(ミズシマ)
  • タ:(タップ)

第1回 小学女子魂とは何か?

今一度問う。小学生女子とは何なのか?

ミ:
私の友だちで、小学校時代に壁新聞作ってた人がいってたんだけど、当時の新聞の内容が、「卑弥呼と公害」だったんだって。
マ:
おもしろいねー。ちょっと私の趣味とかぶる(笑)。
ミ:
これ聞いたときに、妹の話と合わせてすごい納得がいったよ。小学女子のこの組み合わせの自由さを見よ! まったく関連がなさそうなのに、その子は両方すごく気になってたんだよね。
タ:
そうだね、今のマミコさんの分野とかぶるよ。つまり、マミコさんはやっぱりそうなんだよ。
ミ:
やっぱ、マミコさんは小学女子を生きてるよ(笑)。いま自分がこういうことに興味持ってると思ってやってる範囲って、結局、その後の社会化によって矯正されてるものなんちゃうか、って......。
マ:
光栄です! でもこないだ二人にそう言われて、自分でいろいろ考えちゃったんだけど、もしかすると確かに私は、素で小学女子的なんだと思う。でも、逆にいうと素だからさ、いざあらためて表現してください、って言われると、案外お行儀の良いモノになっちゃうんだよね。その点、ミズシマさんは、リアルでは結構しっかりしてるんだけど、表現上は破天荒な小学女子的なものを適確に表現できてるなあと思うね。
ミ:
結構しっかり......(笑)。
マ:
自覚がないとさ、人前にでるときは「いつもちゃんとしなさい」って言われてるから、ちゃんとしなくちゃ、ちゃんとしなくちゃ、って思っちゃうっていうか〜。まあできないんだけど(笑)。
タ:
私も、ミズシマさんは案外しっかりしてると思う。バインダーに書類はさんでるし。
マ:
リラックスしてると小学女子丸出しだけどね(笑)。
ミ:
しっかりしてるっていう根拠はそれですか。>バインダーに書類(笑)。
タ:
そうです。あと、あれだけ片付いてない部屋でちゃんと生活できてるってのもすごいしっかりしてるわー。。
ミ:
それは適応です!
マ:
タップさんは一番、オトナっぽく見えなくもないし、普段もそれなりに落ち着いてるけど、合間合間に、小学女子がウズウズウズウズしてるよね(笑)。ウズウズしてて、タイミングよくツボ押されると、ワ〜〜〜!って駈け出す感じ。
ミ:
小学女子って、ある意味ADHD[*1]じゃん? 私は、自分の研究上の発想の中のADHD的部分は意識してとっておくようにしている。
タ:
おちついてますよ。もちろん。だって私はホラ、ADHDじゃないし(笑)。
マ:
まあタップさんも単に磨かれていないADHDの原石なんじゃないかと。
タ:
あなたたちは磨いてADHDになったわけですね(笑)。
マ:
磨くつもりはなかったのに、世間にもまれていつしかぴかぴかのADHDに......。
ミ:
最初から光っていました(フンッ)
マ:
タップさんもぴかぴかのADHDに囲まれてるからよく光が見えないだけなんじゃないかと。
ミ:
まあ、壁部的ADHD診断はおいといて〜。
マ:
そうそう、つまりは小学女子とはADHDであると。その脈略のなさこそが小学女子的であり、「チンもさ新聞」のあふれ出るパトスこそが小学女子クオリティであると。そういう感じでよろしいか?
ミ:
そうだね。単に脈略ない、っていうのとも違うよね。興味がある方向に向いてはいるんだけど、それは一般社会では受け入れられがたい方向にむいてるというかね。
マ:
ああ、あと「貸した本読んだ?」に象徴されてるけど、自分が今、スゴイ夢中になってることがあると、他人も夢中になるに違いないという思い込みっていうのは小学女子的かな。私よくそれで他人を引かせてしまいます(笑)。
タ:
旧暦コラムとかもすごく小学生ぽいと思ったよ。
ミ:
しかし「他人もそれが興味の中心であると思いこむ」っていうのはよい性質だよねえ。そういう思いこみと、周囲の巻き込まれやすさのおかげで、躍動感があるというか>小学女子
タ:
そうでないと、人は人に影響を与えないよね。
ミ:
巻き込まれやすさも重要だよね。他人のいうことを素直に信じて実践しちゃううちに、他人が言ってないことも混ざって、オリジナルな変なものができあがるw
マ:
私は思いこみで強要して人を引かせることも多いんだけど、一回共有できる人を見つけるとすごい勢いで盛り上がることもあって、それがやっぱ楽しくてやめられない。
ミ:
このあいだリーブラ[*2]で「長くつしたのピッピ」[*3]のイベントやったときに、ゲストの赤木かん子さん[*4]が言ってたんだけど、児童本の区分けは「2〜6歳」「7〜10歳」「10歳(小5)以上」で内容が違ってくるといっていて、小5以上のものはオトナも読めますと言ってたのが印象的だった。 
マ:
壁部はその10歳までくらいのラインなのかな。私の中では小学校4〜5年が壁部的小学女子のイメージ。
タ:
小4くらいといえば、ピッピは9歳だからそのくらいだよね。
ミ:
人にもよるけど、その10〜11歳くらいの間に、なんか質的な変化がある気がするよ。
マ:
私は自分が、そのころが一番盛り上がってたからみんなそうかと思ったけど、何かが過剰に爆発する時期って、人それぞれ年代が違うみたいだよね。高校生くらいでそれが来る人もいる。でも竹藪エロ丑の刻参りをやってしまうようなパワーは、中高生では出ないよね。
ミ:
パワーというよりは、後先考えてないというか、利益中心じゃないよね。
タ:
あとは、小学生ってやっぱヒマだよね。それも大きいんじゃないかな。
マ:
そうだね。昔の小学生はヒマだけど、ヒマつぶしするものがなかったんだよね。今の小学生は違うみたいだけど......。
ミ:
ピッピはさ、日本語版出版当時(1964年)は、小学5年生以上が読む読み物だったんだけど、今の5年生が読んでも、単純すぎてつまらない。でも今の6歳くらいまでだったら素直に面白いと思うだろう、とかそういう話が出てた......。
タ:
つまり早熟になってるってこと?
ミ:
う〜ん。というより、社会化されちゃってるのかなあ? 「大金持ちで力持ちの9歳なんて設定ありえない」とか思っちゃうんじゃない? 物の道理はわかるようになってるけど、常識を超える発想はしなくなっちゃってるというか...。
マ:
少し話戻るけど、そういう、自分が盛り上がったものに相手が共鳴してくれたときって、力が倍増どころじゃなく爆発するほどのような感じを生むことがあって、それは小学時代によく起こっていたし、今も小学女子的関係性の中ではそれが起こる。
ミ:
小学女子的なことって、お金にならないとか、健康にも役に立たないし、今の「オトナ」の基準から見ると、優先順位からすぐ外されてしまうから、なんじゃないかなあ。そういう意味では小学女子というのはアンチ資本主義、アンチ効率主義だ!
マ:
私は、いつか私が「ケロロ軍曹」の歌を一度カラオケで歌っただけで、それまでケロロを見たことがなかったミズシマさんがハマって、次にあったときは立派なケロロマニアになっていたとき、「共鳴(゚∀゚)人(゚∀゚)」って感じだったよ。オトナになってからはそういう出会いが前より少なくなった気がする。
タ:
オトナというか、やっぱみんな忙しいんだよね、きっと。
ミ:
私は、そういう共鳴爆発みたいな感じって、大学院に入ってからだったな。それでミニコミ作ったり、イベントやったりデモやったりして。大学まで友だちが少なかったから、大学院以降は深い関係の友だちができてうれしかったな。
タ:
うん。いつでもいいんだよね。小学女子「的」なんだから、リアル小学生でなくてもね。

第1回 おわり

  • *1
    ADHD
    注意欠陥・多動性障害。大人の女子のADHDは長い間認知されてなかったが、『片付けられない女たち』などで一般にも知られるようになった。(ミ)
  • *2
    リーブラ
    港区立男女平等参画センター
  • *3
    『長くつしたのピッピ』
    スウェーデンの児童文学作家、アストリッド・リンドグレーンが書いた子ども向けの小説。それまでは大人に従順でしつけのよい子どもばかりが登場していた(らしい)子ども文学界に衝撃をあたえた。日本でも、ピッピを心の支えにしている人は多いですよ。(ミ)
  • *4
    赤木かん子さん
    児童文学評論家。詳しくは、公式サイトを。
    http://www.akagikanko.jp/