片付かない部室にて壁シンブン部の放談ミーティング

  • マ:(マミコ)
  • ミ:(ミズシマ)
  • タ:(タップ)

第1回 小学女子魂とは何か?

なぜ、壁シンブン部なのか?

マ:
さて、我が壁シンブン部発足を記念し、満を持して行われようとしている部員チャット放談でありますが.........。オカシイですね! まだ部長がきませんよ!
タ:
部長はミズシマさんなの? マミコさんじゃないの?
マ:
えっ? だってミズシマさんのほうが部長キャラだと思うけど。だってさあ......
ミ:
わ〜〜〜〜〜〜!!
マ:
部長キター!
ミ:
寝てた! またゲルランゲ[*1]にやられるとこだったよ! 失礼しました!
タ:
部長が二人そろったので、そろそろはじめよーか。っていうかどっちが部長?
マ:
ええー、私が部長よばわりされるのは単に年上だからっていうくらいしか根拠が。私の人生で〜長とかいうキャラ設定はほとんど縁なかったもん。剣道部でも防具係だったし〜。
タ:
壁シンブン部には防具ありませんよ。
ミ:
私、壁シンブン部内弱小部局長がいい。
タ:
私はハンモック部なら部長です。
マ:
すでにバラバラ......(笑)。でもミズシマさんはなんか生徒会長キャラっていう気がするけどな。「そこ、男子、黙って!」みたいな。
ミ:
じゃあ私、壁シンブン部のキャプテンやる! あこがれの体育会系イメージで!
タ:
キャプテン!
マ:
♪好きよ〜好きよ〜♪ キャプ〜テン♪(ザ・リリーズ[*2]、知ってる?)。体育会系ならじゃあ私は防具係!
ミ:
出た!防具係! 防具ないって。
タ:
ちょっと牛乳とってきていい?(席はずす)
ミ:
ねえ、ちょっとトイレいってくる。みんなトイレいっとかなくて大丈夫?(席はずす)
マ:
.........。youtubeには昔のリリーズの映像なかったわ......。あっみんながいない!!
タ:
戻った〜。牛乳なかったから豆乳にした!

..................

マ:
っていつまでたっても始まらないんですけど! とりあえずじゃあ、なぜ今、「壁シンブン部なのか!」ってとこからいきますよ!
ミ:
えっと、なんでだっけ(爆)。
マ:
ヲイ。そもそも壁新聞にこだわってたのはミズシマさんだったよね〜。ミニコミ[*3]好きだし。
タ:
ミズシマさんやマミコさんは小学校時代に壁新聞やってたの?
マ:
うん。あんまりたのしくて一人で全部作っちゃって、先生に「協調性がない」って通知表に書かれちゃったよ(笑)。
ミ:
私、壁新聞はやってないんだよね。学級文庫に自分が書いた絵本を入れたり(勝手に)してたけど。妹とか友だちとかが作ったっていうのを後から聞いて、うらやましく思うばかり...。
タ:
とにかく何か立ち上げて、名称はあとで考えようといいつつなんとなく壁新聞壁新聞といってたのが定着したんだよね。
ミ:
えーと、小学校女子ってさー。いわゆる「おんなのこ」イメージとはかけ離れたものっていうか、女どころかそもそも子ども、人としてどうなのかという感じの存在っていうか、まあそのくらいすごい想像力を持ってる存在だと思うんだよね。その想像力の象徴ともいえるのが「壁新聞」だと思うわけですよ。つまり、小学生女子の「壁新聞」を再び今取り戻すということは、小学生女子が「女の子」に作られてしまう直前の、うまいエキスを抽出することでもあるわけで......。
マ:
先生! なんか言い回しがカタイであります!
ミ:
ごめん、。まだアタマがまわってない(笑)。
マ:
まあ前から何度かいってるのは、女子は生理がきちゃうと急に「女の子」になっちゃう感じがあるんだけど、ちょうど小学校3-5年くらいのあたりって子どもでもないけど、「女の子」でもない「小学女子」っていうような生き物なんじゃないかという話してたんだよね。なんかこうプリミティブなクリエイティブさがあるっていうか。
タ:
「プリミティブ・クリエイティブ」ってなんか韻踏んでていいね。
マ:
タップさんは小学校のときからマンガ描いてたんだよね。
タ:
描いてたけど、全然人に見せてなかったよ。わりとこう、自足するタイプっていうか。白泉社とか小学館のマンガ[*4]を読んで、マンガヲタになるのは中学生になってからだけど、マンガを描くのは小学校のころから好きだったな。
ミ:
友だちとかに回覧はしなかったんだ。
タ:
うん。全然しなかった。「Kくん物語」とか「ハテナ先生」[*5]というのを描いてたんだけど、Kは笠谷のKなのね。『レ・ミゼラブル』に触発された、脱獄もの。リーゼントで看守を刺して、脱獄するの。
マ:
銀の燭台を盗むのか〜!
タ:
アルト47万円で逃げ切るんだよね。で、Kくんが焚き火をやってるとこにすごい美女が現れて、そこで唐突に終わりました、「Kくん物語」(笑)。
ミ:
タップさんは小学校のとき自分のこと「くん」付けで呼んでたの?
タ:
いやー、一人称は「わたし」だったけどね。
ミ:
私は小学校2年生のときに、クリスマスにもらったハードカバーの日記帳みたいなのに創作小説を書いていた。たぶん最初に書いたのが「うさぎとかめとハスの花」。タイトルだけ聞くと、みなさん、「うさぎとかめの物語だな」って思うでしょう。でも違うんです......。
タ:
なんの話なんだ(笑)。
ミ:
...............っていうような、最初から観客のことを超意識した物語だった☆ その日記帳には、書こうとした小説の冒頭部分ばかりがいくつも記されている。なんか気負いすぎて、あまりにも設定とかを構築しすぎて物語がはじまらなかったんだよねえ。
マ:
私はランドセルについてたクマのマスコットの「マグ」[*6]を主人公にしたマンガを描いてたよ。なんとなくクラス中にまわし読みされてたけど、でも今思うと、私、マンガが描きたかったというよりは「雑誌」が作りたかっただけだったと思う。
タ:
マミコさんも、マグは自分の分身だけど、男の子なんだよね。
マ:
そうそう。わたし小学校の高学年くらいまで、自分のことボクっていってたよ。
ミ:
そうか、マミコさんは「ボク」か! ミータ[*7]もボクなんだよ!
マ:
マグは自分なんだけど、男の子で、親友のモグとガールフレンドのミグがいる。私は転校が多かったのでそのたび仲の良い友だちをいろんなキャラに当てはめて命名してたんだけど、そしたらクラスの女王さまににらまれてさ〜。女王は、「マグ軍団」をつぶすためにある日「ニコちゃん軍団」ってのを作ったんだよね。
タ:
わー! すごいな女王さま。
マ:
女王は金持ちだったので、当時流行ったニッコリマークのバッチを駄菓子屋でたくさん買ってきて、気に入った子にそれを配って「ニコちゃん軍団に入りな!」って。
タ:
陣取り合戦の様相。
マ:
で、何人か、マグ世界のキャラ名をあげた子が「ごめん、ニコちゃん軍団に入ることになったから、もう、私パンダちゃんじゃなくなっちゃったの♪」って(笑)。
ミ:
なんだそりゃ〜!
マ:
でもわたしときたら、自分もニコちゃんバッチが欲しくなっちゃって。でも女王は私にくれないので、しょうがないからそのへんにあるバッチに紙を貼って、ニコちゃんの絵を描いたら、「ニセモノ〜!」っていじめられた(笑)。
ミ:
そのへんにあるバッチに紙を貼って......(涙)、マミコ(小学生)、すごいな! ほかに創作物作ってる子はいた?
マ:
そのときはいなかったけど、茨城の小学校に転校したら、そこではみんな自分のキャラクターを作ってマンガ描いたり、キャラブックみたいなの作ってたよ。
ミ:
文化だよね。ホント、リアル小学女子をもっとあおりたいよ。
  • *1
    「おそうじを覚えたがらないリスのゲルランゲ」ジャンヌ・ロッシュ・マゾン著
    タイトルに勇気づけられて部員がつい読んでしまったフランスの童話。そうじが嫌いで家を追い出されたリスのゲルランゲは、たとえオオカミに食べられそうになっても「そうじだけはおぼえたくありません!」と言い張るのである。ミズシマ部長は娘にこれを読み聞かせているうちに爆睡しチャット放談予定をすっとばした前科がある。(マ)
    ゲルランゲがそうじをしない言い訳があまりにも長いので眠くなってしまいました。小さい頃好きだったんだけど、こんな話だっけ? ちなみに続編は「けっこんをしたがらないリスのゲルランゲ」(ひぃ!)(ミ)
  • *2
    リリーズ
    1970年代に活躍した双子姉妹歌手。「好きよキャプテン」は最大のヒット曲だが、作詞が松本隆というだけあって、男からみた「女の子ってきっとこうなんだろうな」幻想が炸裂したドリーム・ポップ、まさにザ・歌謡曲! である。(マ)
  • *3
    ミニコミ
    大人になってから作ったのは「文藝サンダー」「月刊性病」「コンドーム通信」「けもの道」など。
    「月刊性病」「コンドーム通信」はモラルドーナツというグループで作った。
    http://www.geocities.co.jp/moraldoughnut/
    「けもの道」はあくまで実践獣フェミニスト集団FROG。けもの道創刊準備号は『今月のフェミ的』(インパクト出版、2007)で読めます☆
    「文藝サンダー」は、常時やる気ではいるがぜんぜん出版されてないミニコミです。(ミ)
  • *4
    白泉社や小学館のマンガ
    山岸凉子「日出処の天子」は80年代の衝撃。萩尾望都はリアルタイムでは「メッシュ」、「銀の三角」あたり。もちろん24年組といえば大島弓子も必須だが、私が大島弓子の凄さを理解するのはもっとずっと後。(タ)
  • *5
    「ハテナ先生」
    髪型がハテナだった。生徒は野菜だった。作者本人もそれしか覚えていない。(タ)
  • *6
    マグ
    マグ・るうりん。7歳のクマ。マグ王国のあととり王子でもある。このあたりのことについてはおいおいコラム化する予定。(マ)
  • *7
    ミータ
    ミズシマの子ども。いま4歳。好きなものはお絵描きとお菓子とアニメ。3歳のとき、「女の子はおもしろくなれないから男の子がいい」という衝撃の発言があり、「私のコネタはおもしろくなかったのか!?」と愕然とするも、日々、保育園で笑いをとる努力をしているミータをみると目頭があつくなる今日この頃。(ミ)